電気自動車Q&A「撤去されるEV充電スタンドが増えているというのは本当ですか?」

電気自動車(EV)に関するさまざまな疑問について、大手自動車メーカーにおいて黎明期からEV充電インフラプロジェクトに関わり指揮してきた実績を持つ、ENECHANGE執行役員の田中喜之がやさしくお答えします。

「撤去されるEV充電スタンドが増えているというのは本当ですか?」という質問がありましたが、ご指摘の通り近年EV充電スタンドの新設台数は停滞傾向にあります。

これまであった充電スタンドが撤去されてしまうのはなぜでしょうか?その理由について徹底的に解説します。

EV充電スタンドが撤去されている?

日本にあるEV充電スタンドの数は現在およそ3万基。町中にある充電スタンドは、2010年代から爆発的に設置数を伸ばしていましたが、2020年に初の減少となりました。

2020年度末の時点での設置数は2万9233基。前年度比3.6%減となり、1087基が撤去されたことになります。2021年も同様に減少傾向が続きました。

撤去されるEV充電スタンドが増えているのはなぜですか?

EV充電スタンドが減少する背景には、当時のEVの普及率や採算の問題、充電器の耐用年数などが複雑に絡まっています。

充電スタンドの数が爆発的に伸びたのは2014年から2015年にかけての2年間。この間にEV充電スタンドの数は約2倍にまで跳ねあがりました。当時、充電器と設置費用の一部を補助する政府の補助金に加え、カーメーカーが残りの初期費用と維持費用を補助する制度を設立したことが一気に普及を後押ししたのです。それ以降も増加スピードは緩やかになったものの、毎年設置数を伸ばし続けていきました。

それから8年が経ちました、というのが今の状況です。

実は充電器の耐用年数は一般的に7~8年で設計されています。これに応じてカーメーカーによる補助制度の契約期間も8年。このタイミングになって充電スタンドの運営を継続するかどうか迷う人が出てきているというわけです。2022年現在も政府の補助金はありますが、8年前と比較すれば自己負担する割合は大きいです。

昨年までに撤去された充電器はこの補助制度の前に設置された充電器の老朽化が原因ですが、上記の理由により今後もが全国でEV充電器の数の減少が懸念されます。

――充電器の耐用年数は、普通充電器よりも急速充電器のほうが短いのですか?

一般的には、急速充電器は高い出力の電気を流し、かつ内部で交流と直流の変換を行っているため、構造が複雑で部品の数も多くなります。このため普通充電器に加えて故障の発生も多く部品の傷みも大きい傾向にあります。

また、コネクタという車に差すガンのような形状をした部分が、急速充電器のほうが重いため、落として時に破損しやすい傾向にあります。急速充電は大きいディスプレイを持っているケースが多いですが、日光や雨に晒されることで白く劣化して表示が見えなくなる、ということも起きているようです。

――EV充電器設置後のメンテナンスはどの程度必要?

普通充電器は、構造もシンプルでコネクタも軽いので、急速充電器に比べると故障する可能性も少ないと言えます。メンテナンス契約も存在していますが、出動頻度や修理対応の頻度は少ないです。

急速充電器は、部品の中に定期交換や清掃がが必要ものを含んでいる為、定期メンテナンスが必要です。急速充電器を設置する人の大部分は定期メンテナンス契約を結んでおり、1年に1回は点検をしたり、コネクタの破損時に定額支払の内で交換ができる保証をつけています。

――EV充電器に法定点検のような決まりはないですか?

2022年現在、法的な決まりはありません。

まとめ

撤去されるEV充電スタンドが増えている理由についてご説明しました。ポイントをおさらいしてみましょう。

・8年前の2014~2015年は政府の補助金とカーメーカーによる追加補助でEVスタンドを金銭的負担が少なく設置できたので、一気にEV充電スタンドが増えた。

・しかし、7~8年前の充電器が耐用年数を迎えつつある。現在は政府の補助金はあるものの維持費用等自己負担がある。設置・維持コストに抵抗を持った人が撤去することにより、スタンド数の減少が懸念される。

現時点では一時的にEV充電スタンドが減少してきていますが、ENECHANGEをはじめ各社が新たなアプローチで充電器設置を推進していくことで、今後その数は持ち直してくることでしょう。

2022年は「EV元年」と呼ぶにふさわしい年。各メーカーから新モデルが発表されています。たとえば日産からは「サクラ」、三菱からは「eKクロスEV」といった軽の電気自動車も発表され、トヨタも「bZ4X」で電気自動車に本格参入します。また、政府も充電スタンドを今の5倍の15万基まで増やすことを目標に掲げ、東京都は一定の新築マンションや戸建て住宅に充電器の設置を義務付けることを目指しています。

今後はEVの利用率も高まり、それに伴って充電インフラの設置に向けての意識も高まってくるでしょう。

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