PHEV・PHVとは?プラグインハイブリッド自動車の特徴
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PHEV・PHVとは?

PHEV・PHVとは、環境に優しいクルマの種類のひとつです。
PHEV・PHVは“Plug-in Hybrid Electric Vehicle” の略で、「プラグインハイブリッド車」と呼ばれています。
「ハイブリッド」と名の付く通り、ガソリンと電気の2つのエネルギーが利用可能です。
従来までのハイブリッド車(HVやHEVと表現されることが多いです)との大きな違いは、外部電源からバッテリーを充電できるということです。
ハイブリッド車に搭載されたバッテリーの充電方法はブレーキの負荷を再利用する「回生充電」と、エンジンで発電機を回して充電する方法の2つです。PHEVはHVと同じ「回生充電」にくわえて外部からの給電が可能。家庭で充電するほか、全国にある充電スタンドを利用することもできます。
「車外から電源プラグを接続して充電できる」ということから「プラグインハイブリッド車」と呼ばれるようになりました。
種類 | 備考 | |
EV | BEV 電気自動車 | 単に「EV」と呼ばれることも。 HVやPHEVなどと区別する際に「BEV」という。 |
HV ハイブリッド車 | ガソリンと電気の2つのエネルギーを利用。 ただしバッテリーは走行時の発電に依存。外部からの給電はできない。HEVとも。 |
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PHEV プラグインハイブリッド車 | ガソリンと電気の2つのエネルギーを利用。 BEVと同様に外部電源から給電できるのが大きな特徴。PHVとも。 |
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FCV 燃料電池自動車 | 専用の水素ステーションから補充した水素ガスを利用して発電。FCEVとも。 |
いわゆる「EV」と同じ規格の充電設備を使用できる一方で、今まで通りガソリンでも走れるという安心感から、「電気自動車に興味があるけれど、いきなり100%電動化するのは不安」というドライバーからも支持を集めています。
ちなみに日本政府は「2035年までに乗用車新車販売で電動車100%」という目標を掲げていますが、この「電動車」には従来のハイブリッド車や燃料電池車、そしてPHEVも含まれており、2035年以降も走行・販売が禁止されることはありません。
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◎PHEVの代表車種
PHEVとPHVは、どちらもプラグインハイブリッド車を指す言葉です。略称のPHEVは「Plug-in Hybrid Electric Vehicle」、PHVは「Plug-in Hybrid Vehicle」の頭文字を取ったものです。要約すると、PHEVとPHVは同じ意味であり、プラグインハイブリッド車を指します。
◎PHEVとPHVの違いは?
PHEVの代表的な車種は以下の通りです。
車種 | 燃費() | EV走行距離 |
トヨタ プリウス PHV | 37.2km/L | 68.2km |
トヨタ RAV4 Z PHEV | 22.2km/L | 95km |
三菱 アウトランダー PHEV | 16.6km/L | 87km |
レクサス NX450h+ | 19.6km/L | 87km |
マツダ CX-60 PHEV | 14.6km/L | 75km |
PHEV・PHVの特徴

画像出典:三菱公式サイト「アウトランダーP」
PHEVの特徴をご紹介します。
まずは「電気自動車」としての加速性能と静粛性です。ガソリンエンジンではなく、電気モーターを利用して走行する場合は、電気モーターならではの走りを実感することができるでしょう。電気はガソリンに比べてコストが格段に低いことも魅力の一つです。
つぎに、PHEVは「ガソリンで走る」という選択肢を持っていることです。当たり前のことを書いて拍子抜けされたかもしれませんが、やはりこれが大きな特徴と言えます。
長距離移動をする際には「ガソリンでも走れる」ことが非常に重要となってきます。
というのも、EVドライバーが長距離を移動する際には途中での給電が不可欠です。ガソリンであっても長旅の場合、1度くらいは給油をしたいものですが、100%電気で動くBEVのドライバーは補給に対してガソリン車ドライバーよりも敏感です。
往復路にある設備をあらかじめ確認しながら、「ここのパーキングで休憩と充電をする」といった予定を入念に立てておく方が安心です。いざ必要に迫られると綿密に計画を立てること自体にハマる方も多いのですが、面倒だと思う方もいらっしゃるでしょう。
PHEVはEVに比べて航続距離も長く、ガソリンと電気の両方で補給ができるため、長距離の移動の際には「ガソリンでも走れる」ことが大きなメリットとなるでしょう。電気自動車としての走行では経済的かつ地球にも優しいパフォーマンスを発揮する一方で、電気自動車への不安はガソリンで補ってくれます。
なお、このような「充電スポットが少ないのでは?」「航続距離が比較的まだ短い」といった課題が解決するのは時間の問題。今後の電気自動車の普及と、各メーカーの技術開発により段階的に乗り越えていくことでしょう。
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PHEV・PHVの4つのメリット
この項では、PHEVを購入する際の参考になる4つのメリットを紹介します。
それぞれ詳しく解説します。
1.燃料費を抑えられる
PHEVは、モーターだけで走行する際にはガソリンを一切使用しません。さらに、電気代はガソリン代よりも経済的なため、燃料費を削減することが可能です。
2.加速がスムーズで静粛性が高い
PHEVはガソリンで動くエンジンと、電気モーターを必要に応じて使い分けます。モーター走行する際は、発進時にアクセルを踏んだ瞬間からモーターが反応します。その結果、スムーズに加速することが可能です。
またガソリン車に比べ、エンジンの振動やエンジン音がないため静粛性の高い走行ができます。
3.蓄電池として利用できる
PHEVは蓄電池としても利用が可能です。普段の生活や災害時にとても役に立ちます。
利用方法は以下の2通りです。
- 車から直接電気を取る
- 「V2H」を利用して家中に電気を送る
例えば三菱のアウトランダーでは、車内にACコンセントがあり、そこから直接電源を使うことができます。車種によっては別途、家電と車をつなぐコネクターが必要です。
また、「V2H」での利用も可能です。「Vehicle to Home」の略で、クルマに蓄えた電気を家で使う仕組みのことです。利用には専用の機器が必要となり、別途購入が必要です。
車種によってはV2Hに対応していない車種もありますので、確認する必要があります。
4.補助金・減税を受けられる
PHEVはその環境性能の良さから政府の給付する「CEV補助金」の対象となります。
完全にバッテリーで動くBEVほどの補助率はありませんが、それでも補助金は懐に優しい制度です。補助金を活用すれば十分に手の届く価格帯といえるでしょう。「CEV補助金」は国の補助金ですが、居住する地方自治体の補助金を別途併用できるケースもあります。
PHEV・PHVの2つのデメリット
PHEVを購入する際に失敗しないよう、デメリットも見てみましょう。
1.車両本体価格が割高である
ガソリン車における新車の車両価格の平均は100万円〜300万円。軽自動車であれば100万円台での購入が可能です。
一方、PHEVにおける新車の車両価格の平均は400万〜500万円と安くはない金額です。
しかし、前述したとおり「CEV補助金」の利用が可能なため、比較的販売価格より安く購入することができます。
2.ガソリンを劣化させるリスクがある
EV走行のみで長期使用すると、ガソリンがタンク内に長期間滞留し、ガソリンが劣化するリスクがあります。
トヨタのFAQでは、燃料系の部品やエンジンに影響をおよぼす可能性があるため、12ヶ月ごとに20L以上(12ヶ月間の給油量が合計 20L 以上になるように)燃料補給を行ってください。と注意が掲載されています。
PHEVご購入の際には、車種ごとに燃料補給についても調べると良いでしょう。
PHEV・ガソリン車の比較まとめ
PHEVとガソリン車の比較を表にしました。購入の際に参考にしてくださいね。
項目 | PHEV | ガソリン車 |
燃料費 | ◎比較的やすい | △従来通り |
静粛性 | ◯静か | △音がある |
蓄電池利用 | ◎ | ✖︎ |
補助金・減税 | ◎ | ✖︎ |
車両価格平均(新車) | 400万円〜500万円 | 100万円〜300万円 |
ガソリン劣化 | リスクあり | リスクなし |
充電スポットを簡単に探せるアプリ

長期ドライブの際に「充電スポットが見つからなくて困った」となる前に、アプリを入れるのがおすすめです。
「EV充電エネチェンジ」は、全国のEV・PHEV充電スポットを紹介するアプリです。
このアプリをスマートフォンにインストールすると、全国の充電スポットを簡単に確認することができます。また、口コミ機能も充実していて「充電器が使えなかった」などのトラブルが防げます。
まとめ
PHEVについてご紹介しました。日本政府は、2035年までに乗用車新車販売における電動車の比率を100%とする目標を掲げており、今後はPHEVを含む電気自動車が主流となります。
PHEVやEVが利用できる充電スタンドを設置したいという法人の方は是非エネチェンジにお気軽にご相談下さい。
